9/29/06

日常と非日常の境って...

久しぶりに昔の友達に会って昔日本やアメリカに住んでた頃の話で盛りあがると<あっ、そういえばそんな事が日常だったよなぁ>とふと思い出したりして面白い。

日本で毎日乗っていた電車。あんまり必死になってるふりは見せずにでもしっかり席を見つけて腰をおろして、続きが気になって仕方ない文庫本を開いて読み始めた時のちょっとした喜びとか。前向いて座ってて突然トンネルに入って向いのガラスに映った隣の人と目が合って何となくうつむく感じとか。梅雨の満員電車で隣の人の濡れた傘がふくらはぎにはりつく不快感とか、そんなの今はない。まずサイゴンに電車がない。(笑)

アメリカ時代、ちょっと治安の悪かった近所に車をとめてた時の微妙な緊張感とか、スーパーで支払いの時に小切手を書く時のボールペンが紙の上を走る感じとか、その時は無茶苦茶日常だったけど今は車もないし小切手もない。

今これを書きながら私のマックのキーボードを走る小ちゃな蟻をタイプの手をとめずに小指で器用にはじき飛ばしてるのも、寝る前にドアにかける幾つもの錠前をチェックするのも、食べ物を食べる前に何となく匂いをかいで暑さでやられてないか確認するのも、外でおばちゃん達がパジャマ姿で雑談してる光景も、そんな昔は非日常だった事が超日常になっている。バイクで街を走っていて信号が近づくと日陰で信号待ちできるように速度調節してパーフェクトな位置で停車できたり、雨の匂いを遠くから感じたら雨合羽着たり、そんな事全く考えずに勝手に体がやってる。昔は一生懸命やっていたアイロンかけや家事一般が今はすべてメイドさん任せでそういう事何も考えなくてもいいこの毎日だって今じゃ全く疑問に思わないけど、よーく考えるとここに来る前まではそんなのは「超非日常」な世界だったはず。

考えたらすごいもんだ。人間の順応力。で、結局どこにいても良い日と悪い日があるわけで、幸せって何だろなー、どこのなんのことなんだろーなー、と思う今日この頃。答えなんてきっとずっとわからないんだろうなー。笑。